移行されたマッピングへの別のオブジェクトパスの使用
マッピングを移行した後に、別のオブジェクトパスを使用して、新しい環境からマッピングを実行できます。
このシナリオでは、マッピングを移行する前に、オブジェクトメタデータ、ランタイム属性、または接続属性を変更して、移行された環境にオブジェクトパスを反映させることができます。新しい環境でマッピングを編集または更新する必要はありません。
原則として、詳細プロパティ、接続、またはオブジェクトプロパティでフォルダパスとファイル名を指定すると、データ統合は次の優先順位で属性を使用します。
- 1ランタイムの詳細属性。マッピングのソース、ターゲット、またはルックアップトランスフォーメーションのフォルダパスやファイル名などの詳細プロパティ。
- 2接続属性。接続プロパティのフォルダパス属性。
- 3オブジェクトメタデータ。マッピングのソース、ターゲット、またはルックアップトランスフォーメーションで選択されたオブジェクト。
移行オプション
移行を行うときは、次のオプションのいずれかを選択して、オブジェクトパスを更新できます。
オプション1: 接続プロパティを更新して、新しいオブジェクトを参照する
マッピングを組織2にインポートすると、[接続の確認]セクションで既存の接続を変更して、組織2の指定されたフォルダパスおよびファイル名にアクセス可能な接続にマッピングできます。
オプション2: 詳細プロパティからプロパティをオーバーライドする
移行の前に、組織1のマッピングの詳細プロパティで、組織2のオブジェクトに必要なフォルダパスおよびファイル名を指定します。
移行後にマッピングを実行すると、Secure Agentは設定された詳細パラメータを使用して、指定されたオブジェクトを組織1からインポートされたマッピングでオーバーライドします。
オプション3: マッピングのプロパティをパラメータ化する
移行前に、フォルダパスやファイル名などの詳細属性をパラメータ化するという選択ができます。マッピングでは、入力パラメータ、入出力パラメータ、およびパラメータファイルを設定できます。マッピングを移行した後は、マッピングを編集または更新しないでください。フォルダパスやファイル名などの詳細属性に入出力パラメータを使用した場合は、パラメータファイルからこれらのパラメータを更新できます。
- マッピング内のオブジェクトではなく、詳細プロパティのみをパラメータ化する
- 詳細プロパティのみをパラメータ化し、実行時にそれらのプロパティを使用する場合は、マッピングのオブジェクトプロパティでプレースホルダオブジェクトを選択してから、詳細プロパティからこのプレースホルダオブジェクトへのオーバーライドを指定します。プレースホルダオブジェクトに、オーバーライドとして指定した対応するテーブルと同じメタデータが含まれていることを確認してください。マッピングを実行すると、詳細プロパティで指定した値でプレースホルダオブジェクトがオーバーライドされます。
- オブジェクトと詳細プロパティをパラメータ化する
- Amazon S3オブジェクトタイプと詳細フィールドをパラメータ化したままにする場合は、パラメータの追加時に入力パラメータウィンドウで[実行時にパラメータのオーバーライドを許可]オプションが選択されていない状態で、必要なオブジェクトをタスクレベルで選択します。タスクを実行すると、詳細プロパティで指定した値が優先されます。
パラメータ化ルール
オブジェクトと詳細プロパティをパラメータ化する場合は、次のルールを考慮してください。
- •パラメータ化は、[ターゲットの作成]オプションを使用するマッピングには適用されません。
- •パラメータ化は、移行のユース ケースにおける詳細モードのマッピングには適用されません。
- •[実行時にパラメータのオーバーライドを許可する]チェックボックスを有効にして、接続またはオブジェクトをパラメータ化することはできません。
ルールおよびガイドライン
移行されたマッピングに同じオブジェクトパスまたは異なるオブジェクトパスを使用する場合は、次のルールとガイドラインを考慮してください。
- •次の表に、トランスフォーメーション、オブジェクトタイプ、および新しい環境に移行したときに保持されるマッピングの詳細プロパティのフィールドを示します。
トランスフォーメーション | オブジェクトタイプ | 詳細フィールド |
---|
ソース | 単一オブジェクト | フォルダパスとファイル名 |
ルックアップ | 単一オブジェクト |
ターゲット | 単一オブジェクト |
- •マッピングを組織1から組織2に移行した後は、マッピングを編集しないでください。
- •組織2の既存のターゲットオブジェクトについては、詳細プロパティでフォルダパスとファイル名を指定する必要があります。オブジェクトが組織2に存在しない場合、または接続が組織1で使用したオブジェクトにアクセスできない場合、403エラーが発生してマッピングは失敗します。
- •詳細プロパティで有効なフォルダとファイル名が指定されていることを確認してください。有効なフォルダとファイル名が指定されていない場合、マッピングは失敗します。
- •ターゲットオブジェクトでFileNameフィールドを使用しており、フォルダパスとファイル名をオーバーライドして、マッピングを組織2に移行すると、403エラーが発生してマッピングは失敗します。この問題は、組織2の接続が、組織1で使用したバケット、オブジェクト、およびフォルダのパスにアクセスできない場合に発生します。
- •フォルダパスの詳細プロパティでワイルドカード文字を指定する場合、名前パターンに一致するすべてのフォルダには、同じメタデータと形式オプションを持つファイルが含まれている必要があります。
- •サブディレクトリからファイルを再帰的に読み取る場合、オーバーライドするフォルダパスの詳細プロパティには、ディレクトリ内のファイルが含まれている必要があります。
例えば、フォルダパスを<bucket1>/<dir1>のように指定した場合、ファイルがディレクトリ<dir1>: <bucket1>/<dir1>/<file1>に存在することを確認します。
フォルダパスの詳細プロパティにサブディレクトリ内のみのファイルが含まれ、ディレクトリにファイルが含まれていない場合、マッピングは失敗します。
- •実行時にデータオブジェクトスキーマを動的に更新することはできません。スキーマ変更処理はサポートされないため、ソース、ターゲット、またはルックアップトランスフォーメーションで選択されたテーブルおよび対応する詳細フィールドのオーバーライドに対して同じメタデータを使用する必要があります。
- •新しい環境に移行するマッピングでは、Informatica暗号化を除くすべての暗号化タイプを設定できます。
- •ソースタイプを[ディレクトリ]として選択した場合、マッピングを正常に実行するには、.tmpなどの自動生成されたトランザクションファイルをすべて削除します。_SUCCESSおよび.CRCファイルは無視されます。
- •バケット名を指定せずに、詳細プロパティでスラッシュ(/)から始まる/<folder_name>という形式のフォルダパスを指定した場合、接続プロパティで指定したフォルダパスがこのフォルダパスに追加されます。
例えば、詳細プロパティでフォルダパスを/<dir2>と指定し、接続プロパティでフォルダパスを<my_bucket1>/<dir1>と指定すると、このフォルダパスは、接続プロパティで指定したフォルダパスに<my_bucket1>/<dir1>/<dir2>という形式で追加されます。
接続プロパティでフォルダパスを<my_bucket1>/<dir1>と指定し、詳細プロパティでフォルダパスを<my_bucket2>/<dir2>と指定すると、Secure Agentはフォルダパス<my_bucket2>/<dir2>にファイルを書き込みます。
- •詳細モードのマッピングの詳細プロパティで、有効なオーバーライドフォルダパスを指定していることを確認してください。オーバーライドフォルダパスのパターンが実際のフォルダパスと一致しない場合、マッピングは失敗します。
- •マッピング内でソースオブジェクトの再帰的読み込みが有効化されている場合は、移行後に、ソースオブジェクトに指定されたオーバーライド済みのフォルダパスの親ディレクトリにファイルがあることを確認するか、または手動でオブジェクトを再選択します。このような操作を行わない場合、マッピングが失敗します。