SQL ELTモードのマッピング ソースとターゲットが同じクラウドエコシステム内にあり、すべてのマッピングロジックをクラウドエコシステムで処理する場合は、SQL ELTモードのマッピングを作成します。例えば、Azure Data Lake Storageデータレイク内のデータをSnowflakeクラウドデータウェアハウスに移動する必要があり、すべてのデータ処理をSnowflake内で行うようにしたいとします。
SQL ELTモードのマッピングを実行すると、トランスフォーメーションロジックは、基盤となるクラウドインフラストラクチャで実行されるエコシステム固有のコマンドおよびSQL文に変換されます。データを変換するためにクラウドインフラストラクチャから移動しなくてすむため、全体的な処理速度が向上します。
SQL ELTモードのマッピングは、クラウドデータウェアハウスからデータを読み取り、同じクラウドデータウェアハウスに書き込むことができます。また、クラウドエコシステム内のデータレイクからデータを読み取り、同じエコシステム内のクラウドデータウェアハウスに書き込むこともできます。
SQL ELTモードのマッピングでは、次のターゲットにデータをロードし、ターゲットタイプに基づいて次のソースからデータを抽出することができます。
ターゲット
サポートされるソース
Amazon Redshift
- Amazon Redshift- Amazon S3Databricks
- Databricks- Amazon S3- Microsoft Azure Data Lake Storage Gen2Google BigQuery
- Google BigQuery- Amazon S3- Google Cloud StorageMicrosoft Fabricデータウェアハウス
- Microsoft Fabricデータウェアハウス- Microsoft FabricレイクハウスSnowflake Data Cloud
- Snowflake Data Cloud- Amazon S3- Microsoft Azure Data Lake Storage Gen2
SQL ELTモードのマッピングを作成するには、マッピングを作成し、マッピングタイプとして[マッピング - SQL ELT] を選択します。次に、ターゲット接続を選択するように求めるメッセージが表示されます。組織に接続がない場合は、接続を作成するように求めるメッセージが表示されます。
ターゲット接続を選択すると、Mapping Designerが開きます。
次の図は、SQL ELTモードのマッピングのMapping Designerを示しています。
マッピングは、選択したターゲット接続で自動的に設定されます。ソース、ターゲット、およびトランスフォーメーションをマッピングに追加できます。トランスフォーメーションパレットで使用できるトランスフォーメーションは、ターゲットのクラウドデータウェアハウスで処理できるトランスフォーメーションです。例えば、SnowflakeはSQLトランスフォーメーションでロジックを処理できないため、SQL ELTモードのマッピングのトランスフォーメーションパレットにはSQLトランスフォーメーションは含まれていません。
SQL ELTモードのマッピングを実行するには、マッピングタスクを作成します。
SQL ELTモードのマッピングのソース SQL ELTモードのマッピングのソースは、他のタイプのマッピングのソースとは異なる動作をすることができます。
ソースは、次のように異なる動作をすることができます。
• SQL ELTモードのマッピングを作成すると、クラウドエコシステム内のクラウドデータレイクおよびクラウドデータウェアハウスからデータを読み取ることができます。例えば Snowflake Data Cloudにデータをロードし、 ソーストランスフォーメーションでソース接続を設定する場合は、Amazon S3、Azure Data Lake Storage Gen2、またはSnowflake Data Cloud接続のみを選択できます。• デフォルトでは、データ統合 の[フィールド] タブには、Informaticaトランスフォーメーションデータ型、精度、スケールの代わりに、ネイティブデータ型、ネイティブ精度、ネイティブスケールが表示されます。トランスフォーメーションデータ型、精度、およびスケールを表示するには、ヘッダー行を右クリックし、表示するプロパティを選択します。• マッピングに複数のソースを追加する場合、すべてのソースは同じソース接続または接続パラメータを使用します。いずれかのソースでソース接続または接続パラメータを変更すると、Mapping Designerによって他のソースが更新され、すべてソースが同じ接続を使用するようになります。• クラウドデータウェアハウスからデータを読み取り、常に同じクラウドデータウェアハウスに書き込むSQL ELTモードのマッピング。したがって、ソースがSnowflakeクラウドデータウェアハウスの場合は、ターゲットと同じ接続または接続パラメータを使用する必要があります。• ターゲットタイプと同じ接続パラメータを作成する場合は、ターゲット接続を選択するマッピングプロパティでパラメータを作成する必要があります。たとえば、Snowflake Data Cloudにデータをロードし、 ソーストランスフォーメーションで接続パラメータを作成する場合は、接続タイプをAmazon S3またはAzure Data Lake Storage Gen2に設定することができます。Snowflake接続パラメータを作成する場合は、ターゲット接続を選択するマッピングプロパティでパラメータを作成する必要があります。
• ソースとターゲットが同じ接続を使用している場合、マッピングプロパティでターゲット接続を変更すると、ソース内の接続は同じ接続を使用するように自動的に更新されます。ソーストランスフォーメーションで別の接続が使用されている場合、ターゲット接続を変更してもソース接続は変更されません。例えば、マッピングプロパティでDatabricks 接続を変更すると、ソースのDatabricks 接続は同じ接続を使用するように自動的に更新されます。ただし、ソーストランスフォーメーションでAmazon S3またはAzure Data Lake Storage Gen2接続が使用されている場合、ターゲット接続を変更してもソース接続は変更されません。
コネクタタイプによっては、ソースの動作に他の違いがある場合があります。詳細については、該当するコネクタガイドを参照してください。
SQL ELTモードのマッピングのターゲット SQL ELTモードのマッピングのターゲットは、他のタイプのマッピングのターゲットとは異なる動作をすることができます。
ターゲットは、次のように異なる動作をすることができます。
• SQL ELTモードのマッピングを作成する場合は、最初にターゲット接続を選択します。• デフォルトでは、データ統合 の[フィールド] タブには、Informaticaトランスフォーメーションデータ型、精度、スケールの代わりに、ネイティブデータ型、ネイティブ精度、ネイティブスケールが表示されます。トランスフォーメーションデータ型、精度、およびスケールを表示するには、ヘッダー行を右クリックし、表示するプロパティを選択します。• ターゲット接続は、マッピングプロパティで変更します。ターゲットトランスフォーメーションでは、ターゲット接続は読み取り専用です。• マッピングに複数のターゲットを追加する場合、すべてのターゲットは同じターゲット接続または接続パラメータを使用する必要があります。ターゲット接続を変更すると、Mapping Designerは、新しい接続を使用するようにマッピング内のすべてのターゲットを更新します。コネクタタイプによっては、ターゲットの動作に他の違いがある場合があります。詳細については、該当するコネクタガイドを参照してください。
SQL ELTモードのマッピングのトランスフォーメーション SQL ELTモードのマッピングのトランスフォーメーションは、他のタイプのマッピングのトランスフォーメーションとは異なる動作をすることができます。使用可能なトランスフォーメーションは、マッピングのモードによっても異なります。
SQL ELTモードのマッピングには、クラウドエコシステムが処理できるトランスフォーメーションのみが含まれます。サポートされていないトランスフォーメーションをMapping Designerに貼り付けると、マッピングの検証は失敗します。SQL ELTモードのマッピング内で使用できるトランスフォーメーションの詳細については、「トランスフォーメーション」を参照してください。
次のタイプのトランスフォーメーションは、SQL ELTモードのマッピングでは異なる動作をします。
コネクタタイプによっては、トランスフォーメーションの動作に他の違いがある場合があります。詳細については、該当するコネクタガイドを参照してください。
ルックアップトランスフォーメーション ルックアップトランスフォーメーションは、次のように異なる動作をすることができます。
• SQL ELTモードのマッピングを作成すると、クラウドエコシステム内のクラウドデータレイクおよびクラウドデータウェアハウスのデータを使用してルックアップを実行できます。例えば、ルックアップトランスフォーメーションでGoogle BigQuery接続を設定する場合は、Amazon S3、Google Cloud Storage、またはGoogle BigQuery接続のみを選択できます。 • ルックアップはソースまたはターゲットに対してのみ実行できるため、ルックアップトランスフォーメーションでは、常にソースまたはターゲットと同じ接続が使用されます。ルックアップトランスフォーメーションがソーストランスフォーメーションと同じ接続を使用している場合、ソース接続を変更すると、Mapping Designerでは、ソーストランスフォーメーションと同じ接続を使用するように、マッピング内のすべてのルックアップトランスフォーメーションが更新されます。ルックアップトランスフォーメーションがターゲットトランスフォーメーションと同じ接続を使用している場合、ターゲット接続を変更すると、Mapping Designerでは、ターゲットトランスフォーメーションと同じ接続を使用するように、マッピング内のすべてのルックアップトランスフォーメーションが更新されます。
• 複数のルックアップトランスフォーメーションをマッピングに追加することはできますが、すべてのルックアップでソーストランスフォーメーションまたはターゲットトランスフォーメーションと同じ接続または接続パラメータを使用する必要があります。• デフォルトでは、データ統合 の[フィールド] タブには、Informaticaトランスフォーメーションデータ型、精度、スケールの代わりに、ネイティブデータ型、ネイティブ精度、ネイティブスケールが表示されます。トランスフォーメーションデータ型、精度、およびスケールを表示するには、ヘッダー行を右クリックし、表示するプロパティを選択します。• ターゲットタイプと同じ接続パラメータをルックアップトランスフォーメーションで作成する場合は、ターゲット接続を選択するマッピングプロパティでパラメータを作成する必要があります。例えば、Snowflake Data Cloudにデータをロードするマッピングのルックアップトランスフォーメーションで接続パラメータを作成する場合は、 接続タイプをAmazon S3またはAzure Data Lake Storage Gen2に設定できます。Snowflake接続パラメータを作成する場合は、ターゲット接続を選択するマッピングプロパティでパラメータを作成する必要があります。シーケンストランスフォーメーション すべてのシーケンストランスフォーメーションは、1つのダウンストリーム式トランスフォーメーションまたは1つのターゲットに直接接続されている必要があります。
式を含むトランスフォーメーション アグリゲータトランスフォーメーション、式トランスフォーメーション、またはフィルタトランスフォーメーションなどのトランスフォーメーションで式を設定する場合、式の作成に使用する関数はクラウドエコシステム関数です。例えば、SQL ELTモードのマッピングで式トランスフォーメーションの式を設定する場合、式エディタにリストされる関数は、Informaticaトランスフォーメーション言語関数ではなくSnowflake関数です。
式の構文は、クラウドエコシステムで有効なものである必要があります。式エディタでは、式の構文は検証されません。無効な式を入力すると、マッピングは実行時に失敗します。
マッピング動作の違い マッピングの動作は、マッピングがSQL ELTモードのマッピングであるか、別のタイプのマッピングであるかによって異なります。Mapping Designerも若干異なります。
SQL ELTモードのマッピングのMapping Designerは、他のマッピングのMapping Designerとは別のものです。SQL ELTモードと切り替える場合は、新しいマッピングを作成します。
SQL ELTモードのマッピングは、次の点で他のマッピングとは異なります。
• SQL ELTモードのマッピングを作成する場合は、最初にターゲット接続を選択します。ターゲット接続を変更するには、マッピングキャンバスをクリックし、マッピングプロパティを更新します。ターゲットトランスフォーメーションでターゲット接続を変更することはできません。• SQL ELTモードのマッピング内に式を作成する場合は、Informaticaの関数と式の構文ではなく、利用するクラウドデータウェアハウスのネイティブ関数と式の構文を使用します。ネイティブ関数と式の構文の詳細については、利用するクラウドデータウェアハウスのドキュメントを参照してください。• Mapping Designer内からSQL ELTモードのマッピングをテスト実行することはできません。SQL ELTモードのマッピングを実行するには、マッピングタスクを作成します。• SQL ELTモードのマッピングでは、階層データを変換できません。階層データを含むフィールドは、すべてのトランスフォーメーションでパススルーフィールドとして扱われます。階層データを変換する必要がある場合は、マッピングまたは詳細モードのマッピング を作成します。• SQL ELTモードのマッピングには、マップレットを含めることはできません。• SQL ELTモードのマッピングには、複数のフローまたはパイプラインを含めることはできません。複数のパイプラインでデータを処理する必要がある場合は、マッピングまたは詳細モードのマッピング を作成します。• CLAIREの推奨事項および [インベントリ] パネル は、SQL ELTモードのマッピングでは使用できません。コネクタタイプによっては、マッピングの動作に他の違いがある場合があります。詳細については、該当するコネクタガイドを参照してください。
SQL ELTモードのマッピング設定 SQL ELTモードのマッピングを作成するには、Mapping Designerを使用します。
SQL ELTモードでのマッピングのMapping Designerは、他のタイプのマッピングのMapping Designerとは異なります。したがって、SQL ELTモードのマッピングを他のモードにコピーしたり、他のタイプのマッピングをSQL ELTモードにコピーしたりすることはできません。
SQL ELTモードのマッピングの作成 SQL ELTモードのマッピングを作成するには、マッピングの作成時に[マッピング - SQL ELT] を選択します。
プライマリクラウドデータウェアハウスを設定している場合、ターゲット接続は自動的にプライマリクラウドデータウェアハウスに設定されますが、必要に応じて変更することができます。プライマリクラウドデータウェアハウスを設定していない場合は、マッピングの作成時にクラウドプラットフォームを選択する必要があります。
1 データ統合 で、 [新規] > [マッピング] > [マッピング] をクリックします。
2 [作成] をクリックします。
3 [新しいマッピング] ダイアログボックスで、 [マッピング - SQL ELT] を選択し、 [続行] をクリックします。
プライマリクラウドデータウェアハウスを設定している場合、Mapping DesignerはSQL ELTモードで開きます。ターゲット接続は、プライマリクラウドデータウェアハウスに設定されます。
4 プライマリクラウドデータウェアハウスを設定していない場合は、次の手順を実行します。
a クラウドプラットフォームを選択し、 [選択] をクリックします。 データ統合 から、ターゲット接続を選択するか、新しい接続を作成するように求められます。
b ターゲット接続を選択します。 [ターゲット接続] リストには、選択したクラウドプラットフォームのターゲット接続が表示されます。選択したプラットフォームのターゲット接続が組織にない場合、またはドロップダウンリストに表示されない接続を使用する場合は、[接続の追加] をクリックして接続を作成します。
c Next をクリックします Mapping DesignerがSQL ELTモードで開きます。ターゲット接続が、選択した接続で設定されます。
5 ターゲットオブジェクトとソースを設定し、必要なトランスフォーメーションをマッピングに追加します。
6 [保存] をクリックしてマッピングを保存します。