IDocを使用したデータ統合
データ統合にIDocマップレットを生成できます。次に、マップレットを使用して、アウトバウンドマッピングでSAPからIDocを読み取るか、インバウンドマッピングでIDocをSAPに書き込むことができます。
IDocは、SAPアプリケーション間またはSAPアプリケーションと外部プログラム間で電子的にデータを交換します。IDocは、データを非同期的に処理するメッセージベースの統合インタフェースです。
IDocは、RFCプロトコル経由で中間ドキュメント(IDoc)を送受信できる、SAP内のApplication Link Enabling(ALE)モジュールのコンポーネントです。
ALEレイヤ
ALEのメッセージベースのアーキテクチャは、以下の3つのレイヤで構成されています。
- •アプリケーションレイヤ。ALEにSAPへのインタフェースを提供し、外部システムとのメッセージの送受信を可能にします。
- •分散レイヤ。メッセージのフィルタリングと変換を行い、異なるSAPリリース間の互換性を確保します。
- •通信レイヤ。ALEが同期通信および非同期通信をサポートできるようにします。非同期通信にはIDocを使用します。
ALEのアーキテクチャは、中央データベースに接続せずに、IDocをテキストファイルとして送信する方法を提供します。各アプリケーションは、ハードウェアやプラットフォームの違いに合わせて形式を変換することなく、相互に通信できるようになります。
IDocレコードタイプ
IDocには以下の3つのレコードタイプがあります。
- •制御レコード。メッセージタイプを識別します。
- •データレコード。セグメントにIDocデータを格納します。
- •ステータスレコード。IDocのステータスを示します。ステータスレコード名は、各IDocタイプについて同じです。
ALEコンポーネント
ALEは以下のコンポーネントで構成されます。
コンポーネント | 説明 |
---|
論理システム | ALE/IDocを使用して通信する必要のあるすべてのシステムをSAP内の論理システムとして設定する必要があります。SAP管理者は、トランザクションBD54で論理システムを設定できます。 |
配布モデル | 送信者と受信者を識別する変換可能なメッセージに関する2つの論理システム間の取り決めを定義します。SAP管理者は、トランザクションBD64で配布モデルを設定できます。 |
パートナプロファイル | IDocタイプや配布モデルに関連する処理ロジックを格納します。SAP管理者は、トランザクションWE20でパートナプロファイルを設定できます。 |
RFC宛先 | プロトコルや論理システムへのアクセスを定義します。SAP管理者は、トランザクションSM59でRFC宛先を設定できます。 |
メッセージタイプ | ビジネスオブジェクトの表現。 |
IDocタイプ | メッセージタイプの表現。SAPでは、IDocタイプを使用してさまざまなSAPリリースで後方互換性をサポートします。 |
IDoc | ビジネスデータを格納するIDocタイプのインスタンス。 |